Foolkiller Movie Death Trip

最近見た映画の感想文を中心に、音楽や読書の話題も(全て凄まじく偏っている)。
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「ミスター・ノーボディ」
「ミスター・ノーボディ」(1973)

実質、セルジオ・レオーネが最後に関わった西部劇。メガホンをとったのはレオーネではなくトニーノ・ヴァレリイですが、全編にわたってレオーネらしさが滲み出てて、トリニティとノーボディを同列に考えててかるーい気持ちで見た私は不覚にも大感動するハメに。やっぱりレオーネは、本当に胸をはって心から『最高だ!』と言える映画監督ですよ。

レオーネの映画の主人公には名前がないことが多いですよね。名無しだとかハモニカだとか。匿名性にこだわる彼が、風来坊シリーズでの『トリニティ』なんて名前にピキっと来ちゃったという話もあるようですが、とにかく「続・夕陽のガンマン」が「風来坊2」に興行成績で抜かれて、目くじらたててテレンス・ヒルをキャラはそのままに作ってしまったのが「ミスター・ノーボディ」。凄腕の早撃ちガンマンだけれど、むさくるしくてとぼけてて、物事真面目に考えてない風なノーボディは確かにトリニティそのまんま。けれどそこから立ち上るものには確かに『神話』の匂いが感じられるのです。

引退し、欧州で老後を過ごしたいと考えるガンマン、ボーレガード(ヘンリ−・フォンダ)。西部にその名を轟かせた凄腕の彼に憧れ、その彼を倒して名をあげようとする若い風来坊ノーボディ(つまり素性も名前も一切不明)。『たったひ一人で150人のワイルドバンチと戦うあんたが見たいんだ』と言うノーボディは、ボーレガートの有終の美を飾る最後をお膳立てし、歴史に名を残すようにと導いて行く。そして、その戦いの後、自分の憧れていた伝説のエンディングを作り上げ −−つまり大観衆の前でボーレガードと決闘して彼を倒す−ーノーボディ自らが伝説へなる、というそんな話。

結局、最後の決闘でボーレガードが倒れたのは芝居で、当初の予定通りヨーロッパ行きの船に乗ったボーレガードがノーボディに宛てた手紙を読むモノローグでエンディングを迎えます。そして当のノーボディもボーレガードと同じように追われる身となるのですが、決闘からエンディングへの緩やかなこの展開はもうさすがの一言、上手いの一言。

タイトルから分かるように、誰でも無い、無名の男の物語。西部劇という伝説の虚構性をついた、皮肉だけれども優しいお話。「ウエスタン」の後に返り咲くため作ったこの作品は、Doller三部作のように語られることは少ないかもしれませんが、私はこれこそがレオーネの西部の集大成だと思います。伝説と虚構、NobodyとSomebody、信じるものとその現実、ああ全部は夢だったんだ、ただのお話だったんだ、そう確認することも可能です。けれど、レオーネの映画を見て、男ならば絶対に何か心に残るはず(強引な)。そこですよ。ボーレガードはただ引退して落ち着いた生活をしたいと願うばかりで、その伝説は虚構だらけ。でも、そう仕立て上げたほかならぬノーボディ本人が、そのことは一番良く分かってるのに、それでも彼は『男には信じるものが必要なんだ』って言う台詞を臆面もなく吐くのです。そこなんですよ。そして私達ファンもレオーネにただただ惚れ込む、そういうことなんですね。たぶん。

レオーネとトニーノ・ヴァレリィの関係や、製作の背景、専門的な深読みなんかは、レオーネの研究をしてらっしゃるところできちんとしたのを読んでください。私はただのミーハーなので、そこら辺はただ『ほぉ〜』と頷くばかりです。うん、とにかく理屈はぶっ飛ばしても、あのクライマックスだけでも十分なんです。遠い砂漠の向こうから、砂埃をあげて近付いてくる150人のワイルドバンチ。ウィンチェスターを手に彼等を待ち受けるボーレガード。そしてモリコーネの音楽。それだけで無条件に目頭熱くなっちゃうんだからしょうがないだろ!!!どうせオレはパブロフの犬だよ!!本当にもう、ただただ阿呆のように感動するばかりです。

色々と思うところがありすぎて、なかなか感想書けなくって。まだ全然まとまってないですけど。見る前は色々と不安だったんだけど、予想外の中身の濃さにノックアウト。番外編みたいな映画ではありますが、他の作品よりも考えるところは多いです。各エピソードの気のききっぷりといい、象徴的なアイテムといい、見どころはたくさん。ちなみに「ミスター・ノーボディ2」はクラウスも出ているのでマストだね(結局そこかい)。無駄に熱くてごめんなさいねー。あとで見たら恥ですな…ははは……
| 稲本作蔵 | マ行 | 01:56 | comments(0) | trackbacks(0) |
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