Foolkiller Movie Death Trip

最近見た映画の感想文を中心に、音楽や読書の話題も(全て凄まじく偏っている)。
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J.G.バラード「コカイン・ナイト」
さて、J.G.バラードの「コカイン・ナイト」を読了。昨日映画を見た帰りに買って、焼酎と焼あじを肴に6時間程で読み上げてしまった。バラードは「結晶世界」「沈んだ世界」での閉鎖的な状況と薄ぼんやりとしてるのに光が多い、というなんとも言えない視覚的なイメージが一番先に出て来ちゃうんですが、最近のも凄いんですね。つーか凄かった。マジで。とりあえずミステリーという範疇には入るのだろうけど、もはや宗教がかってる(サイエントロジーについてツッコむのは自分に禁止)。複合的な視点も素晴らしい。

あまりに重層的な話なので、頭の中にたくさんたくさん感想が飛び交っててなかなかまとめられないのです。ミステリーでありながら謎解きは重要でなく、黙示録的でありながら警鐘はならさず、エンターティメントでありながら実験的。スペインの明るい陽光が眩しく、そのフラッシュの中にピラネージの牢獄を見た、と言葉にすればそんな印象。放火殺人の角で逮捕された弟のためにスペインの高級リゾート地へやってきた主人公。弟の無実を信じ調査を進めるうちに、無邪気で平和なこのコミュニティの裏の顔を知ることに…という粗筋だけでは単なるミステリーで、そして単なる二元論的善と悪の捕り物なんですが、実際読むと全くそんな印象はありませんでした。何が善で悪だかわからない、というよりも役割付ける意味がないと思った。それを言ってもしょうがないのは「ゼイリブ」を見た後の、もし自分だったらどうしていいか分からない感に似ている。

来るかもしれない未来の一種のシュミレーションとして読めるわけで、本自体が箱庭。一人称で語ることによって読み手を被験者にする手腕も秀逸。だからと言って何回なワケではなく、ごちゃごちゃ言う前に娯楽としてひたすらに面白いです。まぁ、多少、小説内に出て来る『手法』が強引なのは気になりますが、バラード本人が「テオレマ」を出してるので一気に分かりやすくなった。「テオレマ」見てて良かった。メカニズムは同じですな。それを端的に描くところがパゾリーニと同じで実験的…か。それも一種の例え、というか一つの予測される形なので、細かくツッコミは入れられません。難解なことはないですけど、自分の中で感想に折り合いをつけるのは非常に困難な作業です。面白さではばっちりですが、以上の理由により良し悪しの評価は付け難いねぇ。

来るべき未来はあらゆるタイプの精神病の症例を内包した眩しい光に包まれているかもしれない。そんな話。重いです。
| 稲本作蔵 | 読書 | 18:51 | comments(0) | trackbacks(0) |
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